年金の繰り上げ繰り下げ受給の損得分岐点計算!受け取り金額をシミュレーション
2019/06/12
目次
年金の繰り上げ繰り下げ損得分岐点は?
年金の支給開始年齢は老齢基礎年金(国民年金:定額部分)は65歳、老齢厚生年金(厚生年金:報酬比例部分)は年齢・性別によって支給開始時期が異なります。
コチラの記事をご参考に↓
年金の受給開始年齢は65歳が原則ですが、受給開始年齢を早めたり、遅くしたりもできます。
65歳より早く年金を受給することを、「繰り上げ受給」、遅く受給することを「繰り下げ受給」といい、60歳~70歳まで1ヵ月単位で選ぶことができます。
「繰り上げ受給」は一定の割合で減額され、「繰り下げ受給」は増額されることになっています。
年金は何歳からもらい始めれば一番お得なのか?
↓参考までにこちらの記事で損益分岐点の早見表を作ってみました。
年金は何歳からもらうとお得か?繰り上げ・繰り下げ受給の分岐点早見表を作ってみた!
誰もが気になるところですが、何歳まで生きられるか?つまり寿命がわからないのでハッキリしないでしょう。
しかし、平均寿命とか自分の祖父母や両親の寿命を参考にしてみるのも、一つの考え方です。
そんなとき、ある年齢まで生きた場合、「繰り上げ受給」と「繰り下げ受給」のどちらを選択すればいいのか?
損得を計算できるようなフォームを作ってみましたのでシミュレーションしてみてくださいね。
年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給の計算ルール
その前に「繰り上げ受給」と「繰り下げ受給」の計算ルールについておさらいです。
繰り上げ受給
繰り上げ受給の場合は、どれだけ減額されるのか下記のとおり計算されます。(1ヵ月単位)
減額率=0.5%×繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数
【繰り上げ受給減額率早見表】
請求時の年齢 | 0カ月 | 1カ月 | 2カ月 | 3カ月 | 4カ月 | 5カ月 | 6カ月 | 7カ月 | 8カ月 | 9カ月 | 10カ月 | 11カ月 |
60歳 | 30 | 29.5 | 29 | 28.5 | 28 | 27.5 | 27 | 26.5 | 26 | 25.5 | 25 | 24.5 |
61歳 | 24.0 | 23.5 | 23.0 | 22.5 | 22.0 | 21.5 | 21.0 | 20.5 | 20.0 | 19.5 | 19.0 | 18.5 |
62歳 | 18.0 | 17.5 | 17.0 | 16.5 | 16.0 | 15.5 | 15.0 | 14.5 | 14.0 | 13.5 | 13.0 | 12.5 |
63歳 | 12.0 | 11.5 | 11.0 | 10.5 | 10.0 | 9.5 | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 |
64歳 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 | 3.0 | 2.5 | 2.0 | 1.5 | 1.0 | 0.5 |
単位:%
繰り下げ受給
繰り下げ受給の場合は、どれだけ増額されるのか下記のとおり計算されます。(1ヵ月単位)
増額率=0.7%×(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数)
繰下げ請求は、老齢基礎年金の権利発生(65歳)から1年を経過した日(66歳)より後に請求ができます。
【繰り下げ受給増額率早見表】
請求時の年齢 | 0カ月 | 1カ月 | 2カ月 | 3カ月 | 4カ月 | 5カ月 | 6カ月 | 7カ月 | 8カ月 | 9カ月 | 10カ月 | 11カ月 |
66歳 | 8.4 | 9.1 | 9.8 | 10.5 | 11.2 | 11.9 | 12.6 | 13.3 | 14.0 | 14.7 | 15.4 | 16.1 |
67歳 | 16.8 | 17.5 | 18.2 | 18.9 | 19.6 | 20.3 | 21.0 | 21.7 | 22.4 | 23.1 | 23.8 | 24.5 |
68歳 | 25.2 | 25.9 | 26.6 | 27.3 | 28.0 | 28.7 | 29.4 | 30.1 | 30.8 | 31.5 | 32.2 | 32.9 |
69歳 | 33.6 | 34.3 | 35.0 | 35.7 | 36.4 | 37.1 | 37.8 | 38.5 | 39.2 | 39.9 | 40.6 | 41.3 |
70歳 | 42.0 |
単位:%
Sponsored Link年金の受給開始時期による受取金額を試算してみる
下の計算フォームに年金の受取額(年額:ねんきん定期便などを参考に)と何歳まで生きるか(寿命)を入力すれば、自動的に「繰り上げ受給」「繰り下げ受給」の場合の、受給開始年齢別の「年金受取額:年額」「月額」「累計金額」が計算されるようになっています。
つまり、何歳まで生きられるか考えた場合、何歳から年金を受給したらお得か目安を調べるということですね。
「受給開始年齢」で「累計金額」が一番多くなっているところが一番お得です。
そのあたりが損益分岐点なので、いろいろシミュレーションしてみてください。
[jazzy form=”_1″]※「繰り上げ受給」と「繰り下げ受給」の減額と増額は1ヵ月単位の計算ですが、多すぎるとわかりにくいので、1年単位にしてあります。
※何歳まで生きるかについてですが、入力した年齢の終わり、つまりデフォルトなら80歳11ヵ月の計算になっています。
つまり、寿命が80歳で60歳から繰り上げ受給した場合、80歳ー60歳=20年ではなく、20年11ヵ月の約21年の計算になっています。
※計算フォームの性能の関係上、計算結果がマイナスになる場合があります。その場合はは0と考えて下さい。
まとめ
シミュレーションするとわかりますが、年金はトンチン保健みたいなものですから、長生きするほどお得になります。
でも、早死しそうなら早めにもらっておくべきですけどね。
ただし、注意しなければいけないことがあります。
受給時期を早める「繰り上げ受給」の場合ですが、
老齢基礎年金(国民年金)も老齢厚生年金(厚生年金)も、60歳から繰り上げできますが、その場合は、老齢基礎年金も老齢厚生年金も同じ受給開始年齢での受給になります。
たとえば、61歳から受給する場合、老齢基礎年金も老齢厚生年金も24%減額の76%で受給になります。
繰り下げ受給する場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金、それぞれ別に違う年齢で受給開始できます。
たとえば、老齢基礎年金を67歳から16.8%増額で受給して、老齢厚生年金を70歳から42%増額で受給するという方法も取れるということです。
また、「繰り上げ受給」の場合、寡婦年金は支給されませんし、障害基礎年金も請求できません。
遺族厚生年金は65歳以降、遺族厚生年金と自分の老齢基礎年金の合計額が、少ない額でしか受給できません。
年の差夫婦にメリットのある加給年金額は、受給権者が65歳に達するまでは加算されません。
一度「繰り上げ受給」すると元に戻せませんから、このようなことも考えながら決断しましょう。
実際は、65歳から受給する人がほとんどのようですけどね。
寿命がわからないのでハッキリしませんが、あくまで老後の生活を少しでもイメージできるようシミュレーションしてみてくださいね。
でも、デフォルトで入力してある「年金額200万円」で、70歳まで最高に繰り下げ受給しても、支給される年金月額は236,667円にります。
生命保険文化センターが発表した平成28年度「生活保障に関する調査」によれば、老後の最低日常生活費は月額で平均22万円ですから、70歳まで繰り下げ受給して、やっと夫婦が普通の暮らしができるという感じですかね。
ただし、厚生労働省発表の「平成30年度の年金額改定について」によれば、厚生年金(老齢厚生年金)の月額は、221,277円ですから、65歳から受給しても普通の暮らしはできそうです。
だだし、これはあくまでモデルでこれだけもらえる人はどのくらいなんでしょうね。
自営業者など国民年金(老齢基礎年金)だけの人は64,941円ですから、70歳まで繰り下げ受給しても普通の暮らしは困難ですね。
それに、これからは支給開始年齢も伸びそうですし、年金額も減りそうです。
やはり、老後豊かな暮らしを送ろうと思うなら、老後のための貯蓄をできるだけ増やすか、投資をするか、老後働いたりして収入源を確保しておいたほうがよさそうですね。
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