老後に必要な貯蓄額はいくら?目安となる貯蓄率を計算する公式
2018/02/03
目次
老後に必要な貯蓄額は?
老後に必要なお金はいったいいくらなのか?
老後破産なんかしたくないですからね。
1000万円、2000万円、3000万円、5000万円など様々な説がありますが、どうもいま一つわかりにくいですね。
それが定まらないと、老後に備えるためにいくら貯金していっていいのか計画することもできません。
老後の貯金の平均とかわかっても自分に当てはまるのかどうかもわかりませんしね。
人によって何歳まで生きるのか、それまで貯めたお金など資産はどれくらいあるのか、年金はいくらくらいもらえるのか様々ですからわからないのも無理はありません。
でも、いろいろ調べていくうちに、老後の生活を現役時代の何割くらいで生活するか、何歳まで生きるかを想定して、毎月するべき貯蓄率を計算できる公式を見つけましたのでご紹介しますね。
いくら貯金したらいいのか?目安となる貯蓄率を計算する公式
s=(xY-P-A/b)/(a/b+x)Y
必要貯蓄率(s):現役時代に手取り年収(可処分所得)の中から貯蓄に回す比率
老後生活率(x):「現役時代の生活費」に対する「老後の生活費」の比率
手取り年収(Y):可処分所得(今後の現役時代の概ね平均を想定する)
現役年数(a):現時点からの現役期間の年数
老後年数(b):老後期間(なるべく余裕を持って設定する)
年金額(P):老後の定期収入(年額。主に年金を想定。)
現在資産額(A):現在の貯蓄等の資産額(退職金のように確実な場合は含める)
上の段で老後の生活費(現役時代の手取り年収(Y)に老後生活率(x)を掛ける)から年金額(P)と現在資産額(A)を引いて毎年1年間の足りない生活費を計算しています。
下の段で、現役年数(a)に現役時代の手取り年収(Y)を掛けて老後年数(b)で割ったものと、現役時代の手取り年収(Y)に老後生活率(x)を掛けたものをプラスしています。
つまり、年金をもらうまでの残りの年数で稼いだ金額を老後年数で割って1年間あたりにして、老後の1年間の生活費にプラスしているんですね。
なんか、わかったようなわからないような。。。
私の今の知恵では、なんとなくわかった気になっているだけですが、おそらく間違っていないと思います。
Sponsored Linkたとえば
55歳で手取り年収600万円、これまで貯めた現在資産が1500万円、64歳まで働いて65歳から年金額が200万円もらえるとして、現役時代の70%で生活して85歳まで生きるとすると、
必要貯蓄率={老後生活率70%x手取り年収600万円-年金額200万円ー(現在資産額1500万円÷老後年数20年)}
÷{(現役年数10年÷老後年数20年+老後生活率70%)x手取り年収600万円}=20.1389%
手取り年収600万円x20.1389%≒120万円
120万円÷12ヵ月=10万円
月に10万円貯金しないといけない。
これは結構大変ですね。
それじゃあ、現役期間を69歳まで延して年金も70歳から受給することにしたらどうなるのか?
年金受給開始年齢を70歳まで繰り下げ受給すると、年金が42%増額になりますから、年金額は284万円になります。
現役年数も5年増えて15年に、老後年数も5年減って15年になります。
計算してみると。。。
必要貯蓄率={老後生活率70%x手取り年収600万円-年金額284万円ー(現在資産額1500万円÷老後年数15年)}
÷{(現役年数15年÷老後年数15年+老後生活率70%)x手取り年収600万円}=3.52941%
手取り年収600万円x3.52941%≒21万円
21万円÷12ヵ月=1.75万円
かなり楽になりますね。
しかし、65歳から70歳まで手取り年収600万円というのは現実的ではないかもしれません。
55歳から64歳まで10年間は手取り年収600万円、それ以降70歳まで5年間仮に手取り年収300万円稼げるとして
(手取り年収600万円x10年+手取り年収300万円x5年)÷15年=500万円
平均すると手取り年収は500万円になりますが、この公式の場合、現役時代の手取り年収に対して老後の生活率を計算するので、老後の生活費も連動して減ってしまうという弱点があるようです。
手取り年収500万円に変更して計算すると、毎月の貯金が必要なくなります。
ですから、300万円を年金の284万円と考えて、現役年数10年、老後年数20年を変更せずに計算したほうが現実的な気がします。
その場合を計算してみると
必要貯蓄率={老後生活率70%x手取り年収600万円-年金額284万円ー(現在資産額1500万円÷老後年数20年)}
÷{(現役年数10年÷老後年数20年+老後生活率70%)x手取り年収600万円}=8.47222%
手取り年収600万円x8.47222%≒50万円
50万円÷12ヵ月=4.16万円
毎月4.16万円の貯蓄が必要ということになります。
↓コチラのほうが応用が効くかもわかりません。
老後のために必要な目安となる貯蓄率を計算する公式の根拠は?
この公式の根拠も調べてみました。
現役時代の生活費=Y(1-s)
現役時代の生活費は、手取り年収(Y)から必要貯額を引いたもの、つまり[1-必要貯蓄率(s)]という式で計算できます。
老後生活費=xY(1-s)=P+D
現役時代のx倍で生活する想定の老後の生活費は、先程の現役時代の生活費、手取り年収(Y)x[1-必要貯蓄率(s)]に老後生活率(x)を掛けて計算します。
また、言い換えれば老後の生活費は、年金額(P)とそれまで貯めた資産の取り崩し額(D)で生活することになるので、イコールで結びます。
D=(asY+A)/a
資産の取り崩し額(D)は、現役時代の手取り年収(Y)に必要貯蓄率(s)に基づいて毎年貯めたものを、現役年数(a)の分累積した貯蓄額と現在資産額(A)を足したものを、老後年数で割ったものを毎年取崩すことになります。
xY(1-s)=P+(asY+A)/a
③の式を②の式に代入してみたものが④の式になります。
これを元に分解していって必要貯蓄率(s)を求めたものが冒頭の
s=(xY-P-A/b)/(a/b+x)Y
という公式ということになります。
私もやってみましたが、途中でややこしくなってやめてしまいました。笑
数学が得意な方はやってみて下さい。
実はこの公式は経済評論家の山本元さんと、ファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんの共著「人生にお金はいくら必要か」から引用させてもらったものです。
↓この本です
この本には公式の根拠などは書いていませんが、23歳の新入社員、33歳で結婚した場合、30歳で自営業シングルマザー45歳で住宅ローンを組んだ場合、65歳でリタイアが近づいている人など、様々なケースを「人生設計の基本公式」に当てはめて計算されています。
「人生設計の基本公式」を理解するのに役立つでしょう。
また、「人生設計の基本公式」で導き出した、「必要貯蓄率」を達成するために、保険や住居費を見直したり、投資をして運用したりなどの方法や考え方が紹介されています。
それから、「人生設計の基本公式」をカンタンに計算できるサイトも見つけましたのでご紹介しますね。
【追記】
↓このブログでも計算できるようになりました。
50歳からお金を貯めるシミュレーション!老後に必要な貯蓄額と貯蓄率を計算
老後の貯蓄から取り崩していい金額は?生活費のシミュレーション
いろいろシミュレーションできますから、やってみてください。
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