GPIF運用悪化なら年金給付減額ある?ポートフォリオが裏目だったのか?
2019/02/11
目次
あまりよくないニュースです。
それは、2月15日の衆議院予算委員会で安倍晋三首相が衝撃的な発言をしました。
それは私達の年金を脅かす発言です。
私達の年金積立金はGPIFという機関が管理して、国債や株式市場に投入され運用されています。
マイナス金利政策などの影響で、最近は円高や株価が下落していることで年金積立金の運用損失が拡大しています。
そのことに指摘があったことについて安倍晋三首相が「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べたのです。
つまり、年金積立金の運用がうまくいかない場合は、年金給付の減額がありうることを意味しています。
少子高齢化でこのままでは年金システムがうまく機能しないのはわかりますが、私達のもらう年金がギャンブルのように運用されているということは、考えてみれば本当に危ない話です。
今回のニュースを機にGPIFについて調べてみました。
GPIFとは?わかりやすく言うと
GPIFとは「厚生労働年金積立金管理運用独立行政法人」と言ってGovernment Pension Investment Fundの頭文字をとってGPIF。
前身は「年金福祉事業団」です。
厚生労働大臣から寄託を受け、年金積立金(厚生年金・国民年金)の管理・運用を行っています。
GPIFは私達の約130兆円(130兆8846億円)の年金資産をマーケットに投入して運用しています。
GPIFは「世界最大の機関投資家」といわれています。
Sponsored LinkGPIFのポートフォリオ見直し
GPIFのポートフォリオ(資産構成割合)はどうなっているのでしょう?
ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、GPIFのポートフォリオは2014年11月に見直されています。
それまでは国内株式12%、外国株式12%、国内債券60%、外国債券11%、であったのを、2014年10月に国内株式25%、外国株式25%、国内債券35%、外国債券15%と見直しました。
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運用資産 | それまで | 2014年11月以降 |
国内株式 | 12% | 25% |
外国株式 | 12% | 25% |
国内債券 | 60% | 35% |
外国債券 | 11% | 15% |
外国と国内の株式運用比率が24%から50%と2倍以上になったわけです。
一方、国内債券は60%から35%と大幅に減らしました。
そして、GPIFは130兆円の年金資産をマーケットに投入して株の急激な下落の影響で、年金運用損を約10兆円出したそうです。
裏話ですが、GPIFの理事長は昨年1月、給料が6割も上がって、年収3100万円、最高投資責任者(CIO)の年収も3000万円だそうです。
なんか腹の立つ話ですね。
まぁそのことは置いておいて、この株式を大幅に増やし、国債を大幅に減らした運用比率の見直しが、株の急激な下落で裏目に出たわけですね。
仮に1ドル=100円まで円高が進み、日経平均が1万4000円に下げれば15.7兆円、1万3000円まで下落すれば17.4兆円の含み損を抱えるとも懸念されています。
安倍首相は「運用は長いスパンで見るから、その時々の損益が直ちに年金額に反映されるわけではない」とも述べたそうです。
たしかに今の短期間だけ見て判断するのは早計かもわかりませんが、私達のもらう年金がギャンブルのように運用されているようになんとなく感じてしまいました。
恐ろしいいのは首相の発言で年金資金の運用がうまくいかなければ、年金給付減額はあり得るということがハッキリとしてしまったことです。
なんか。。。私達の年金の将来は本当に危うい何かの上に立っているのだなとあらためて思いました。
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