一億総活躍社会とは何を意味するのか?わかりやすく簡単に言うと・・・
2017/05/13
目次
一億総活躍社会って何を意味するのか?
第3次安倍改造内閣が2015年10月に掲げたスローガンは「一億総活躍社会の実現」でした。
しかし、この一億総活躍社会って何を意味するのか?どうもわかりにくい。
首相官邸のホームページを見たら下記のように書いてありました。
- 若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
- 一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会
- 強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム
出典:https://logolife.net/wp-admin/post-new.php
やっぱりわかりにくい・・・
どうも政治家や官僚のつくるものって、ぼんやりして今ひとつ具体性に欠けるような気がします。。。
で、具体策として「新三本の矢」を掲げているわけですが、新三本の矢とは何でしょう?
Sponsored Link新三本の矢とは?
新三本の矢について表にしてまとめてみました。
3本の矢 | 具体的数値目標 | 方向性 |
希望を生み出す強い経済 | 国内総生産(GDP)600兆円 | 14年度に490兆円だった名目GDPを2割増やし、2020年頃に名目GDPを600兆円にするため、女性や高齢者、障害者らの雇用拡大や地方創生を本格化して生産性革命を大胆に進める 。 |
夢を紡ぐ子育て支援 | 出生率1.8 | 子育て支援では、現在1.4程度の出生率を2020年半ばまでに1.8まで回復させる。子育てにかかる経済的負担を軽くするための幼児教育の無償化、結婚支援や不妊治療支援に取り組む。 |
安心につながる社会保障 | 介護離職ゼロ | 家族らの介護を理由に退職せざるを得ない「介護離職」をゼロにする。働く意欲がある高齢者への就業機会を増やす。これらを20年に向けた「日本1億総活躍プラン」としてまとめ、50年後も人口1億人を維持する。 |
まあ実現可能かどうかは別として目標に①国内総生産(GDP)600兆円、②出生率1.8、②介護離職ゼロを掲げています。
一億総活躍社会とは?わかりやすく簡単に言うと年金支給開始年齢引き上げかも?
新三本の矢の内容をまとめてみて、思ったのですが・・・
結局我が国は急速な少子高齢化の加速で生産年齢人口(15~64歳)が減少の一途をたどっています。
平成25年(2013年)の段階で、生産年齢人口(15~64歳)は7901万人で、全国民に対する割合は62.1%。
年少人口(0~14歳)は1639万人で全国民に対する割合は12.9%で過去最低。
高齢者(65歳以上)人口の割合は25.1%となり,初めて4人に1人が65歳以上です。
このグラフをみれば、年金や健康保険などの社会保障制度を現行のまま維持することはかなり困難であることは想像に難くないです。
そして、第一次ベビーブーマーのいわゆる団塊の世代が年金を支給されています。
これが、2020年の人口の予想では全国民12,410万人に対して、生産年齢人口割合は59.2%と減少し、65歳以上の高齢者は29.1%と増加して、ほぼ3人に1人が高齢者となります。
そして、人口の多い団塊の世代は後期高齢者(75歳以上)に突入し始めます。
日本人の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳で(2014年時点世界第1位)ですが、自立して過ごせる寿命である健康寿命は男性が70.42歳、女性は73.62歳(2010年時点)です。
つまり、人口の多くを占める団塊の世代が介護などが必要となる年齢になってきてしまいます。
このことは社会保障負担がより増えることを意味します。
やはり、社会保障制度を現行のまま維持することはかなり困難になります。
ですから、人口、特に生産年齢人口を増やすために、出生率がップするよう、子育てにかかる経済的負担の軽減や結婚支援や不妊治療支援が盛り込まれているわけです。
また、女性や高齢者、障害者も働きやすくするようにし、さらに現在働いている人も家族らの介護を理由に退職せずにすむよう、環境整備をするということです。
そして、みんなで働いて名目GDPを600兆円にしましょうよ、ということでしょう。
つまり、一億総活躍社会ということは一億総労働社会とも言えるわけです。
安倍首相が2015年10月に立ち上げた「一億総活躍国民会議」の報告書には「高齢者が安心して働き続けられる環境を整備するため、高齢者が働きやすい環境をつくる企業、NPOや起業を支援するとともに、雇用保険の適用年齢の見直しを検討する」と明記されているようです。
高齢者になってもどんどん働いてくださいということです。
この先に含まれる意味を考えると、現在65歳からの年金支給開始年齢を引き上げることも想像できます。
おそらく、年金支給開始年齢を67~68歳→70歳と段階的に引上げる気がしますね。
定年退職したあとは年金をもらって好きなことをして悠々自適というのは夢のまた夢ですね。
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