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退職金の受け取り方で一時金か年金かどちらの方法がお得?

   

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退職金は一時金か年金かどちらの方法がお得に受け取れる?

50代ともなると、そろそろ定年退職も眼中に入ってきますね。

定年退職といえば、長年勤めあげたご褒美のような退職金がいくらくらいもらえるのかも気になるところです。

ここで問題になるのが、退職金の受け取り方です。

退職金というと退職時に一括で一時金として受け取るイメージがありますが、最近では年金として受け取ったり、一時金と年金に振り分けて受け取れるというように選択ができる企業も増えているようです。

老後資金を少しでも確保するためには、一時金で受け取るのが良いのか?年金として受け取るのが良いのか?

年金として受け取るほうが、一定の予定利率による利息(運用益)も加算されるので、受取総額が多くなるのはまちがいないでしょう。

しかし、注意しなければいけないのは、退職金にも税金(所得税)がかかることです。

年金として受け取るほうが、受取総額としては多いのに、実際の手取り額は少なくなるというケースも実際にあるようです。

ですから、最終的な損得を考えるポイントは、退職金から税金を引いた手取り額に着目することです。

退職金を一時金として受け取る場合も、年金として受け取る場合も、それぞれ税金がかからないような所得控除があります。

それは、退職金の額、勤続年数、年齢、運用益、その時の年収など条件によってケースバイケースでややこしいです。

ですから、カンタンな着眼点として、退職金の額がいくらくらいまでなら税金がかからないのかを考えてみたいと思います。

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退職金を一時金として受け取る場合

退職金を一時金として受け取る場合、退職所得となり、下の式で計算されます。

{収入金額(源泉徴収前の金額)−退職所得控除額}×1/2=退職所得(課税対象になる退職金)

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数 (80万円未満の場合は、80万円)
20年超 800万円+70万円(勤続年数-20年)

たとえば、勤続年数30年、退職金2,000万円の場合は

{2,000万円-800万円+70万円x(30年-20年)}×1/2=250万円(収入金額)

というように計算します。

もう少しリアルな計算をしてみましょう。

厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」の結果によれば、定年退職制度は60歳という会社が79.3%ですから、ほぼ80%の会社が60歳定年制です。

4年制大学を卒業する22歳から60歳定年まで勤め上げると、勤続年数は38年ということになります。

その場合、退職所得控除額は

800万円+70万円(38年-20年)=2,060万円

つまり、退職金を一時金として受け取る場合、2,060万円の退職所得控除が受けられます。

2,060万円までは一時金として受け取っても、税金がかからないということになります。

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退職金を年金として受け取る場合

退職金を年金として受け取る場合、雑所得の公的年金等として下の計算式で所得金額が計算されます。
公的年金等に係る雑所得の金額=(a)公的年金等の収入金額の合計額×(b)割合-(c)控除額

年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

これによれば、退職金を年金として受け取る場合、年間70万円(月約5.8万円)以内なら税金がかからないことになります。

ただし、退職金以外の年金収入がある場合、(a)公的年金等の収入金額の合計額に加算することになりますので、注意が必要です。

また、年金として受け取る場合は、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料への影響も考慮する必要があります。

所得税の計算

所得控除を行った後の課税対象になる退職金があれば、金額に対して、下の表のように所得税がかかります。

 

課税所得

所得税率 課税控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

さらに、10%の住民税と、上で計算された所得税額の2.1%の復興特別所得税が課税されます。

まとめ

結局のところ、退職金を一時金で受け取るのが良いのか?年金として受け取るのが良いのか?

ベターな方法は

①税金がかからない(退職控除額を超えない)範囲で一時金として受け取る。(上記の例で言えば2,060万円)

②余る場合には、60歳から年間70万円以下の年金として受け取る。

③それでも余るなら、一時金として受け取る額を増やす。

ということになります。

 

たとえば、勤続年数は38年、退職金2500万円の場合

①税金がかからない(退職控除額を超えない)範囲の2,060万円を一時金として受け取ると

2,500万円-2060万円=440万円

440万円が収入金額となって、所得税は

440万円x20%-42.75万円=45.25万円(所得税)

45.25万円も所得税がかかってしまします。

②さらに70万円の年金として受け取ると

440万円-70万円=370万円(収入金額)

所得税は

370万円x20%-42.75万円=31.25万円(所得税)

③一時金を増やして2,500万円で受け取ると

{2,500万円-800万円+70万円x(38年-20年)}×1/2=220万円(課税対象になる退職金)

70万円の年金として受け取ることで

220万円-70万円=150万円(収入金額)

150万円x5%=7.5万円(所得税)

所得税を7.5万円に縮小することができます。

わかりにくいと思いますので参考までに表にしてみました。

一時金(万円) 課税対象になる退職金(万円) A.年金70万円を引いた額(万円) B.余った分
2500万円-一時金(万円)
課税所得 A+B(万円) 所得税(万円)
2,500 220 150 0 150 7.5
2,400 170 100 100 200 10.25
2,300 120 50 200 250 15.25
2,200 70 0 300 300 20.25
2,100 20 -50 400 350 27.25
2,060 0 -70 440 370 31.25

 

仮に、退職金を年金として受け取る分を増やした場合も計算してみました。

【年金を100万円にした場合】

一時金(万円) 課税対象になる退職金(万円) A.年金100万円を引いた額(万円) B.余った分
2500万円-一時金+公的年金等に係る雑所得の金額(万円)
課税所得 A+B(万円) 所得税(万円)
2,500 220 120 30 150 7.5
2,400 170 70 130 200 10.25
2,300 120 20 230 250 15.25
2,200 70 -30 330 300 20.25
2,100 20 -80 430 350 27.25
2,060 0 -100 470 370 31.25

 

【年金を120万円にした場合】

一時金(万円) 課税対象になる退職金(万円) A.年金120万円を引いた額(万円) B.余った分
2500万円-一時金+公的年金等に係る雑所得の金額(万円)
課税所得 A+B(万円) 所得税(万円)
2,500 220 100 50 150 7.5
2,400 170 50 150 200 10.25
2,300 120 0 250 250 15.25
2,200 70 -50 350 300 20.25
2,100 20 -100 450 350 27.25
2,060 0 -120 490 370 31.25

 

やはり、一時金を増やすほうが効果が高いといえますね。

しかし、現実的には退職金を受け取った時点で、給与収入など他の収入があることが多いでしょう。

これらはあくまでわかりやすくするために、退職金以外の収入がなかった場合で考えてあります。

また、年金としての運用益、住民税、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料への影響は考慮に入れていません。

あくまで、考え方として参考程度にしてくださいね。

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