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預金封鎖とは?日本での可能性は?マイナンバー制度はひょっとしたら。。。

      2019/03/22

目次

とんでもないことが始まる マイナス金利「預金封鎖」に備えよ-あなたの預金はおろせなくなる

週刊現代を読んでいたら、こんな記事が載っていたので、思わず見入ってしまいました。

どんなことが書かれていたかというと。。。

財務省の分科会で預金封鎖について議論が行われている。

それは、財務官僚と経済の専門家らが財政問題について話し合う「財政制度審議会財政制度分科会」。

平成27年9月30日開催された、この会議で使用された資料の中で「預金封鎖」が密かに取り上げられているとのこと。

その資料の名前は「戦後の我が国財政の変遷と今後の課題」です。

さっそく検索してみたらありました↓

戦後の我が国財政の変遷と今後の課題 – 財務省

「戦後の我が国財政の変遷と今後の課題」の7ページに「戦後直後の混乱期における金融危機対策と財政再建」という項目があり、

預金封鎖について触れられているから大変だというわけです。

預金封鎖は、終戦直後の頃の昭和21年に実際にあったことです。

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預金封鎖とは?

朝日新聞の「けふから預金封鎖」見出し

朝日新聞の「けふから預金封鎖」見出し

預金封鎖とは、消費者が持っている銀行などの預金を文字通り封鎖して、一時的に引き出しをできなくしたり、引き出し額などを制限することです。

調べてみると、「金融機関による預金封鎖」と「政府による預金封鎖」があるようです。

「金融機関による預金封鎖」とは、金融機関について経営危機説が流れるなど信用不安によって、多くの預金者が預金を引き出そうと殺到して混乱をきたす場合(取り付け騒ぎ)、経営健全と評価されるまで一時的に金融資産の引き出しを制限すること。

政府による預金封鎖」とは、財政が破綻寸前になった場合、銀行預金などの国民の資産を把握して、資産に対して税金を掛けて政府収入にあてるというもの。

週刊現代が警鐘を鳴らしていたのはもちろん「政府による預金封鎖」のことで、その際、預金封鎖で銀行預金などからの引き出しを制限して、同時に通貨切替をして旧通貨を無効にします。

封鎖された預金は自動的に新通貨に切り替わります(新円切替)。

旧通貨が無効になるということは、何も購入できない紙くずと同じになるので、手持ちの現金(旧通貨)を金融機関で新通貨と交換してもらうことになります。

そうすることによって国民の財産を政府が把握できるというわけです。

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↓「戦後の我が国財政の変遷と今後の課題」にもこのように載っていました。

<預金封鎖・新円切替>

  • 昭和21年2月16日、悪性インフレーションの進展を阻止するための措置として、 「経済危機緊急対策」を公表。同日「金融危機措置令」が発出され、 翌17日「預金封鎖」、「新円切替」を同時に実施。
  • 預金封鎖」:2月17日以降、全金融機関の預貯金を封鎖し、引出しを原則的に禁止。生活費や事業資金について一定額のみ引出しを承認。
    ・実施期間:昭和21年2月17日から昭和23年3月末までの約2年間。
    ・封鎖預金からの新円での引出可能な額は、当初は月額世帯主300円、世帯員1人当たり100円。
  • 新円切替」:日本銀行券を昭和21年3月3日以降は「旧券」として強制通用力を喪失させることとし、同7日までに流通中の旧券を預貯金等に受け入れ、既存の預金とともに封鎖。2月25日より「新券」を発行し、新円による預金引出しを認める(引出可能な額は上記金額)。
    ・2月25日から3月7日までの間は、一定限度内に限って(一人当たり100円)旧券と新券の引換えが行われた(交換比率は1:1)。 

出典:https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270930/01.pdf

預金封鎖が行われた当時、預金引き出し額が制限されたことで、庶民は生活費もままならず、物々交換でしのいだそうです。

恐ろしい事態ですね。

財産税とは?

更に恐ろしいのは、国民の財産を把握したあと、政府が国民の財産(預貯金、株式等の金融資産 及び宅地、家屋等の不動産)に対して、税率25%~90%の「財産税」を課したことです。

「財産税」は累進課税でなんと最高税率90%でした。

下の表のとおり1,500万円超の財産を持つ人は多額の税金を収めることになりますね。

税金が払えない人は土地や株などで物納したそうです。

そして、国債償還金に充当されたわけです。

課税価格税率
10万円超-11万円以下25%
11万円超-12万円以下30%
12万円超-13万円以下35%
13万円超-15万円以下40%
15万円超-17万円以下45%
17万円超-20万円以下50%
20万円超-30万円以下55%
30万円超-50万円以下60%
50万円超-100万円以下65%
100万円超-150万円以下70%
150万円超-300万円以下75%
300万円超-500万円以下80%
500万円超-1,500万円以下85%
1,500万円超90%

 

<財政再建計画>

  •  終戦直後の昭和20年11月5日、戦後の債務処理を行い、財政再建の基盤を造成するため、財産税等の特別課税を柱とする「財政再建計画大綱要 目」を閣議了解。(当初の計画では、約4,000億円の国富に対して、1,000億円弱の課税を想定。)
  •  GHQとの調整等を経て、「財産税」及び「戦時補償特別税」の2税を創設。
  • 財産税」:昭和21年3月3日時点において国内に在住した個人を対象に、通常生活に必要な家具等を除く個人資産(預貯金、株式等の金融資産 及び宅地、家屋等の不動産)に対して、一回限りの特別課税(税率は課税価額に応じた累進課税(税率25%~90%))。
  • 「戦時補償特別税」:戦時中、戦争遂行のために調達した物品や建設工事の工事代金等の軍や政府に対する戦時補償請求権に対して100%課税 を行うことで、戦時補償の支払いの打ち切りを実施。
  • 両税の税収は「財産税等収入金特別会計」で経理され、原則として国債償還金に充当
    (参考)財産税及び戦時補償特別税による収入は5年間累計で約487億円(昭和21年時点:一般会計税収約264億円、個人及び法人企業の金融資産は約3,806億円)。

出典:https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270930/01.pdf

 

↓本当にこんなことが議論されているのか心配になったので、この分科会の議事録がないか探してみたらありました。

財政制度分科会(平成27年9月30日開催)議事録

私が読んでみたところでは、預金封鎖があったことに触れただけで、預金封鎖について積極的に議論されていたわけではなさそうです。(ホ^^)

預金封鎖が今後日本で行われる可能性は?

預金封鎖は今後日本で起こるのでしょうか?

NHKが2015年2月16日に「ニュースウォッチ9」預金封鎖について特集で放送したものがありました。

預金封鎖 2月16日 NHK

その中で名目GDPに対する政府の債務残高が、預金封鎖前の昭和19年は204%平成27年度は232.8%と状況が酷似していることを指摘しています。

そして、キャスターが「今の日本と当時を安易に重ねあわせるわけにはいかなけれども、ただ、日本の財政は今先進国で最悪の水準まで悪化していますので、終戦直後に起きた歴史上の出来事と片付けてはならない問題だともいえます。」と結んでいます。

今の時代に手荒な預金封鎖が行われる可能性はそんなには高くないでしょう。

しかし、当時、預金封鎖実施のその先の目的には財産税の課税がありました。

その前に国民の財産を把握しておく必要性があったようです。

マイナンバー制度はひょっとしたら。。。

しかし、国民の財産を把握できる意味では、マイナンバー制度はうってつけでしょう。

預金口座にマイナンバーを適用することが2012年をめどに検討されているそうです。

ただし、この場合でもマイナンバー制度で把握できるのは口座にある預金だけです。

そこで、新通貨を発行して手持ちのお金(旧通貨)を無効にすれば、金融機関で新通貨と交換しなければ価値はなくなるわけですから、マイナンバーで金融資産の把握は容易になります。

マイナンバー制度導入はひょっとしたら、新円切り替えの準備段階とも思えてきますね。

 

いろいろ調べてみて感じたのは、日本がかかえるGDPの2倍を超える多額の債務を減らすためには、いろいろな方面から税金を徴収して税収を増やすことになるであろうということです。

それでも追いつかなければ、インフレにして、物の価値よりお金の価値を下げて、債務を相対的に目減りさせることでしょうか。

日本政府がインフレを目指している意味が少しゆがんで見えてきました。

いずれにしても、借金の最終責任を負うのは、われわれ国民になることはまちがいなさそうです。

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