介護休業給付金とは?条件や支給申請書の書き方は?
目次
親の介護などで離職する人も増えていますね。
総務省の平成24年度就業構造基本調査によると、介護・看護を理由に離職した人の総数は1年間で10.1万人だったそうです。
離職を考える前に、会社に休業を申請してみるのも考えのひとつです。
今回は介護を理由に休業したときに受給できる「介護休業給付金」について調べてみました。
介護休業給付金とは?
介護休業給付金とは、家族を介護するための休業を取得した雇用保険の一般被保険者及び高年齢被保険者が、一定の要件を満たした場合に受給できる給付金です。
介護休業給付金の支給条件
介護休業給付金受給要件
雇用保険の被保険者で、介護休業を開始した日前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月(完全月)が12ヶ月以上あること。
介護休業給付の支給対象となる介護休業
①負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり、常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な介護)を必要な家族の介護であること。
「常時介護を必要とする状態」とは、以下の(1)または(2)のいずれかに該当する場合であること。
(1)介護保険制度の要介護状態区分で要介護2以上
(2)下記の状態①~⑫のうち、2が2つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められる
状態 | 1 | 2 | 3 |
①座位保持(10分間一人で座っていることができる) | 自分で可 | 支えてもらえればできる | できない |
②歩行(立ち止まらず、座り込まずに5m程度歩くことができる) | つかまらないでできる | 何かにつかまればできる | できない |
③移乗(ベッドと車いす、車いすと便座の間を移るなどの乗り移りの動作) | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
④水分・食事摂取 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
⑤排泄 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
⑥衣類の着脱 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
⑦意思の伝達 | できる | ときどきできない | できない |
⑧外出すると戻れない | ない | ときどきある | ほとんど毎回ある |
⑨物を壊したり衣類を破くことがある | ない | ときどきある | ほとんど毎日ある |
⑩周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れがある | ない | ときどきある | ほとんど毎日ある |
⑪薬の内服 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
⑫日常の意思決定 | できる | 本人に関する重要な意思決定はできない | ほとんどできない |
②被保険者がその期間の初日及び末日を明らかにして、事業主に申し出を行い、それに従って取得した介護休業であること。
介護休業給付金の対象家族
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)、祖父母、兄弟、姉妹、孫
Sponsored Link介護休業給付金の支給額は?
支給額
休業開始時賃金日額×支給日数×67%(月額)
対象家族1人につき93日までを限度に3回を限度に支給(3ヶ月を超える場合は、3ヶ月が限度)
※介護休業中に会社から賃金が支払われる場合は、その額によって支給額が減額されます
休業開始時賃金日額X支給日数の | 賃金 | 介護休業給付金支給額 |
0~13%以下の場合 | 賃金月額の67%相当を支給 | |
13%を超えて80%未満の場合 | 賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給 | |
80%以上の場合 | 支給なし |
介護休業給付金支給申請
介護休業給付の申請手続は、原則として、事業主を経由して行う必要があります。
ただし、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続きを行うことも可能です。
提出期限
介護休業終了日(介護休業期間が3カ月以上にわたるときは介護休業開始日から3カ月を経過した日)の翌日以降、その日から2カ月経過する日の属する月の末日まで
提出場所
事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)
【支給申請に必要な書類】
1.介護休業給付金支給申請書
※個人番号欄にマイナンバー(個人番号)を記載ください。
2.被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
3.住民票記載事項証明書等(介護対象家族の方の氏名、申請者本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類)
4.出勤簿、タイムカード等(介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績が確認できる書類)
5.賃金台帳等(1.の申請書に記載した支給対象期間中に支払われた賃金の額及び賃金の支払い状況、休業日数及び就労日数を確認できる書類)
※上記の他、対象介護休業期間中に対象家族が死亡した場合には、必要に応じて戸籍抄本、死亡診断書、医師の診断書などを添付してください。
介護休業給付金支給申請書の書き方
1.介護休業被保険者の個人番号
被保険者の個人番号(マイナンバー)を記載
2.被保険者番号
雇用保健被保険者証に記載されている被保険者番号
3.資格取得年月日
雇用保健被保険者証に記載されている資格取得年月日(被保険者となった年月日)
4.事業所番号
事業所番号が連続した10桁である場合は、最初の4桁を最初の4つの枠内に、残りの6桁を「 」に続く6つの枠内
にそれぞれ記載し、最後の枠を空枠とする
5.姓(漢字)
被保険者の姓
6.名(漢字)
被保険者の名
7.介護休業開始年月日
事業主が介護休業として取得を認めた休業期間の初日(介護休業開始日)を記載
8.介護対象家族の個人番号
介護対象家族の個人番号(マイナンバー)を記載
9.介護対象家族の姓(カタカナ)
10.介護対象家族の名(カタカナ)
11.介護対象家族の性別
12.介護対象家族の続柄
13.介護対象家族の姓(漢字)
14.介護対象家族の名(漢字)
15.介護対象家族の生年月日
16.対象期間その1
17.全日休業日数
支給対象期間中に全日にわたって介護休業をしている日数(日曜日、祝日等のような所定労働日以外の日も含む)
18.支払われた賃金額
19.対象期間その2
20.全日休業日数
21.支払われた賃金額
22.対象期間その3
23.全日休業日数
24.支払われた賃金額
25.介護休業終了年月日
介護休業開始日から3ヵ月を経過する日前に介護休業が終了した場合に限って、その介護休業終了日を記載
26.終了事由
25の場合の終了の理由
その他、事業主の証明、申請者氏名、払込希望金融機関など記載します。
以下記入例です
↓こちらのサイトで記入できます
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=kaigoKyugyoLink
介護休業給付金は対象家族1人につき93日(3ヵ月)までしかもらえませんが、介護される家族の様子によっては、有効な制度かもわかりませんね。
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