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世帯分離とは?介護保険の費用負担限度額を抑える裏技?

      2018/05/24

50代にもなると、両親もやがて介護が必要な年齢になっていきます。

それどころか、自分やパートナーの介護も考えていかなければいけないのかもしれません。

介護を念頭に置いた場合、否が応でも気になるのが介護に要する費用です。

同居しながら居宅介護サービスを受ける場合でも、介護が長期化したり、サービスの利用頻度が高まっていけばいくほど、支える家族にとって経済的な負担になっていきます。

ましてや、養護施設や老人ホームに入居すれば、食費や部屋代だけでも大きな費用負担がのしかかっていきます。

そこで、今回はそんなときに介護費用を節約できる可能性がある「世帯分離」という方法をご紹介します。

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世帯分離とは?

世帯分離とは、簡単に言えば住民票に登録されている一つの世帯を、同じ住所であっても、生計は別として二つ以上の世帯に分けることです。

世帯分離は、一時的に養護施設や老人ホームへ居住している場合でも、住民票に記載されている住所に変わらず居住していることになるため、手続きが可能です。

つまり、住民票上の世帯として判定されればいいわけです。

では世帯分離をするとなぜいいのか?

それは、介護保険料などを決める場合、世帯の所得を合算して保険料やサービスの費用を決めており、所得が少ないほど優遇されているからです。

また、介護保険のみならず、国の制度は世帯全体収入が少ない場合、優遇されています。

ですから、世帯を分離して、世帯収入を下げたほうが、有利になることがあるわけです。

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介護保険の自己負担割合

介護サービスを利用した場合、その費用の一部を自己負担することになりますが、下の表のように収入が少ないほど負担が少なくて済むしくみになっています。

本人の合計所得金額世帯収入負担割合
単身世帯 2人以上の世帯
220万円以上340万円以上
※年金収入のみの場合は344万円以上
463万円以上3割
※平成30年8月から
160万円以上280万円以上
※年金収入のみの場合は280万円以上
346万円以上2割
上記以外1割

それでは、おおよそどれくらいの負担になるのか具体的にみていきましょう。

居宅サービスの利用限度額

居宅介護サービス利用限度額の範囲内であれば、その利用費の1割ないし2割を自己負担分として支払います。(平成30年8月から3割負担も)

要介護度介護サービス利用限度額(1ヵ月)
要支援150,030円
要支援2104,730円
要介護1166,920円
要介護2196,160円
要介護3269,310円
要介護4308,060円
要介護5360,650円

要介護度が低いうちはそれほど大きな負担にはなりませんが、要介護度が高くなるほど費用も高額になると考えられるため、利用限度額も高くなっていきます。

たとえば、要介護5の人が居宅介護サービスを、限度額いっぱいの360,650円分受けた場合、1割負担で約3.6万円、2割負担で約7.2万円、3割負担で約10.8万円を自己負担することになります。

利用限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。

これは、結構な金額になりますよね。

次に、老人ホームなど施設サービスなどの場合はどうでしょう?

施設サービス自己負担の目安

要介護5の人が特別養護老人ホームを利用した場合の1ヵ月の自己負担の目安

【多床室】

施設サービス費(1割負担)約24,500円
居住費約25,200円(840円/日)
食費約42,000円(1,380円/日)
日常生活費約10,000円(施設により設定されます。)
合計約101,700円

【ユニット型個室】

施設サービス費(1割負担)約27,000円
居住費約60,000円(1,970円/日)
食費約42,000円(1,380円/日)
日常生活費約10,000円(施設により設定されます。)
合計約139,000円

食費と部屋代は原則自己負担ですが、生活保護受給者や所得が低い人に対しては、負担の上限額(負担限度額)が定められ、申請すれば軽減措置が講じられます。(負担限度額認定申請)

それにしても、施設サービスの場合もかなりかかりますね。

そこで、憶えておいたほうがいいのが、「高額介護サービス費」です。

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、介護保険サービスに対して支払った1カ月ごとの自己負担額が決められた上限を超えると払い戻しを受けることができるという制度です。

上限額を超えて介護サービスを利用すると、市区町村より申請書が届き、この申請書をで申請を行い、銀行口座を登録すれば、以後は自動的に介護保険から給付されます。

所得段階対象者利用者負担上限額(月)
個人世帯
第1段階生活保護受給者15,000円
世帯全員が住民税非課税で、老齢福祉年金受給者15,000円24,600円
第2段階世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下の人15,000円24,600円
第3段階世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円を超える人24,600円
第4段階家族の誰かが住民税課税で、第5段階以外の人

44,400円
(平成29年7月まで37,200円)

※同じ世帯の全ての65歳以上の人(サービスを利用していない人を含む)の利用者負担割合が1割の世帯に年間上限額(446,400円)を設定(平成29年8月から3年間の時限措置)

第5段階同一世帯内に現役並み所得(65歳以上で課税所得が145万円以上)の人がいる人44,400円

さらに、先程のように施設を利用した場合、居住費や食費も所得が少ないほど下がります。

住居費・食費の負担限度額

所得段階対象となる人居住費(滞在費)の負担限度額(単位:円/日)食費の負担限度額(単位:円/日)
ユニット型個室ユニット型準個室従来型個室多床室
特養老健療養特養老健療養
第1段階生活保護受給者82049032049000300
世帯全員が住民税非課税で、老齢福祉年金受給者
第2段階世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下の人820490420490370370390
第3段階世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円を超える人1,3101,3108201,310370370650
第4段階

上記以外(住民税課税世帯)※基準額
(施設との利用契約に基づき、施設の定める費用を全額支払うこととなります。)

1,9701,6401,1501,6408403701,380

表を見てもわかるように、世帯の所得が低くなるほど、自己負担額の上限が少なくなっていきます。(生活保護や住民税非課税は収入の少ない人の救済措置です)

ですから、世帯分離をすることによって、自己負担額を抑えられるということになります。

それでは、具体的に計算してみます。

たとえば、収入400万円の人が、パート収入100万円の妻と年金収入70万円の母親と同居していたとします。

世帯分離をするかしないかのちがいを見ていきます。

世帯分離前

世帯主自分(給与)400万円
世帯員母親(年金)70万円
妻(パート代)100万円
世帯所得570万円

自己負担割合:3割

自己負担上限額:44,400円(第4段階)

【要介護5で特別養護老人ホームを利用した場合】

施設サービス自己負担:73,500円ー44,400円=29,100円(高額介護サービス費の払い戻し)

居住費:840円x30日=25,200円

食費:1,380円x30日=41,400円

施設サービス自己負担+居住費+食費=44,400円+25,200円+41,400円=111,000円

世帯分離後

世帯主自分(給与)400万円
世帯員妻(パート代)100万円
世帯所得  500万円
世帯主2母親(年金)70万円
世帯所得70万円

自己負担割合:1割

自己負担上限額:15,000円(第2段階)

【要介護5で特別養護老人ホームを利用した場合】

施設サービス自己負担:24,500円ー15,000円=95,000円(高額介護サービス費の払い戻し)

居住費:370円x30日=11,100円

食費:390円x30日=11,700円

施設サービス自己負担+居住費+食費=15,000円+11,100円+11,700円=37,800円

世帯分離前の自己負担額(111,000円)-世帯分離後の自己負担額(37,800円)=73,200円

月に73,200円の差がつきます。

73,200円x12ヵ月=878,400円

年に878,400円もの差になるわけですから、かなり節約できますね。

住民票上の届け出だけで、これだけの差が出るなら、やらない手はないですね。

ただし、自治体や施設によっては世帯分離前が認められないというケースがあるようですから、やってみないとわかりません。

でもダメでもともとですし、書類手続きだけですから問い合わせる価値があると思います。

世帯分離の手続きに必要なもの

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、個人番号カードなど写真付きの物がよい)
  • 印鑑
  • 国保の人は国民健康保険証
  • 国保の人は国民年金を支払っていくための通帳かそのキャッシュカード

世帯分離のデメリット

世帯分離のメリットは介護保険の他にもメリットがあります。

  • 後期高齢者医療保険料が下がる
  • 高額医療費が下がる

しかし、世帯分離することで、メリットがあるのはわかったけど、デメリットはないのか?

以下のようなデメリットがあります。

  • 74才以下なら国民健康保険料が増える可能性がある
  • 高額療養費の世帯合算ができなくなる
  • 職場によっては家族手当がもらえなくなる

まとめ

世帯分離前が認められるかどうかは、やってみないとわかりません。

ただ、この方法は違法でも何でもありません。

自分の親の介護が必要になったり、子供と同居して自分たちの介護が必要なときには憶えておいてもいいのではないかと思います。

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