生命保険は必要なものなのか?日本の年齢別死亡率から考えてみた
2016/05/01
目次
保険の考え方
先日、本を読んでいたら「保険」というしくみについて書かれていましたのでご紹介しますね。
「生命保険はとにかく入らなければいけないもの」と広く理解され、わが国では生命保険の世帯加入率が9割近くに達しているそうです。
その本によると、そもそも「保険」というものの本質は、「発生する確率は低いが、起きた時に大きな経済的損失を破る可能性がある事故に備えるため、大勢で少しずつお金を出し合って備える仕組み」というものです。
つまり、保険の考え方は、何かリスクがあることに対して、みんなでお金を出し合ってリスクの分散をしようというものです。
これは生命保険にとどまらず、自動車保険、火災保険、傷害保険はじめ珍しいいものではゴルフのホールインワン保険というものまであります。
たとえば、ガンにかかる確率が3人に1人だとします。
ガンと診断された人に100万円の保険金が給付される保険があったとします。
100万円の保険金給付が可能になるには1人当り最低でも33.3万円(100万円÷3人=33.3万円)の保険料を支払わないと100万円の保険金が支払われないということになります。
つまり、ガンにかからない場合、33.3万円はムダになるかもしれないけど、もしもの時のために支払うということです。
ガンにかかる確率が10人に1人だったとして、ガンと診断された人に100万円の保険金が給付される保険なら、
保険料は1人10万円でいいということです。
つまり、発生確率の高いものは保険料も高くなり、発生確率の低いものは安くなる仕組みだということです。
ところで、万が一もしもの時はどれくらいの確率で私たちに振りかかるのでしょう?
生命保険だったら万が一もしもの時は死亡を意味しますね。
それを知りたかったので、生命保険に関連の深い死亡率を調べてみました。
Sponsored Link日本の年齢別死亡率
死亡率(Mortality rate)とは、一定人口に対する、その年の死亡者数の割合をいうということです。
総務省統計局が出している「日本の統計2015」年齢階級別死亡率という資料がありました。
年齢(年齢階級)別死亡率(総数・男・女)={年間のある年齢(年齢階級)の死亡数(総数・男・女)/10月1日現在における日本人(総数・男・女)のある年齢(年齢階級)の人口}×1,000
1000倍するのはベビーブーム等の極端な増減を補正し1,000人単位で作成したということらしいです。
ややこしいので、その資料をもとに計算して、わかりやすい一覧表にしてみました。
年齢 | 男性死亡率 % | 女性死亡率 % | 総数 % |
0~ 4歳 | 0.6 | 0.5 | 0.6 |
5~ 9 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
10~14 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
15~19 | 0.3 | 0.1 | 0.2 |
20~24 | 0.6 | 0.2 | 0.4 |
25~29 | 0.6 | 0.3 | 0.4 |
30~34 | 0.7 | 0.4 | 0.5 |
35~39 | 0.9 | 0.5 | 0.7 |
40~44 | 1.3 | 0.8 | 1.1 |
45~49 | 2.2 | 1.2 | 1.7 |
50~54 | 3.5 | 1.9 | 2.7 |
55~59 | 5.6 | 2.6 | 4.1 |
60~64 | 9.3 | 3.9 | 6.6 |
65~69 | 13.7 | 5.7 | 9.5 |
70~74 | 21.2 | 9.1 | 14.7 |
75~79 | 36.8 | 16.9 | 25.7 |
80~84 | 67.6 | 33.8 | 47.2 |
85~89 | 116.4 | 67.4 | 83.6 |
90~94 | 194.6 | 131.7 | 146.2 |
95~99 | 309.8 | 236.0 | 249.4 |
100歳以上 | 464.1 | 390.2 | 399.6 |
平均 | 10.8 | 9.5 | 10.1 |
この一覧表を見ると、各年齢全般にいえることですが、女性より働き手である男性の方が死亡率が高いことがわかります。
年齢が高くなるごとに死亡率が上がりますが、男性の場合、特に60歳を過ぎた頃から10%に近づきそして越えていくイメージです。
アラフィフ男性の死亡率は45~49歳で2.2%、50歳~54歳で3.5%、55歳~59歳で5.6%です。
つまり、アラフィフ男性100人いたら死亡するのは2人から6人くらいのイメージです。
残りの98人から94人は生き残っているのです。
そんな確率に対して高い生命保険料を払うのはバカらしく思えませんか?
まったく死亡保証はいらないというわけにはいかないでしょうけど、考えてみる価値はありますね。
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生命保険は必要か?
生命保険に加入する目的は、家計を支えていた人(一般的には世帯主)がなくなった時に、あとに残された遺族(配偶者や子供)が生活するのに困らないようにすることでしょう。
一番心配なのは若いうち、たとえば、男性の25~29歳に死亡率は0.6%です。
そして、40歳くらいまで(35~39歳で死亡率0.9%)100人に1人も亡くなりません。
生命保険は「若いうちから入ったほうが保険料が安いから」と考える人も多いと思います。
死亡率が低いから保険料も安いのは当然です。
それだけ、長い期間死亡率が高くなるまで保険料を払い続けるわけですし。
死亡率が高くなった年齢になって加入すれば保険料は高くなる。
うまくできています。
保険会社が儲かるのは当たり前ですね。
50代アラフィフにとって本当に生命保険は必要なのでしょうか?
それはいつ亡くなるかわかりませんから、なんとも言えないところです。
しかし、生命保険の保障額は若いうちほどはいらないわけですから、生命保険を見なおして貯蓄にまわすのは賢明だと思います。
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