一人暮らしの老後資金必要額を老後生活費から考える
2020/01/12
目次
一人暮らしの老後に必要なお金シミュレーション
今回も先回と同様、老後の生活をイメージして一人暮らしの場合の老後に必要な資金をシミュレーションしてみます。
例によって、総務省統計局(日本の統計の中核機関)が発表した「家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)」という資料から抜粋です。
高齢単身無職世帯の収支をあらわした図です。
高齢単身無職世帯は世帯主が60歳以上の単身無職世帯ですから、一人暮らし世帯で年金収入ということですね。
収入合計は112,207円で内訳は社会保障給付つまり年金が103,767円でその他収入が8,440円ということですね。
一人暮らしの老後の生活費
税金、社会保険料などの非消費支出が10,461円あり、消費支出は143,263円ということですので、支出合計は153,724円ということになります。
費用 | 割合(%) | 支出額(円) |
食料 | 23.4 | 33,493 |
住居 | 9.5 | 13,607 |
光熱・水道 | 9.5 | 13,643 |
家具・家事用品 | 3.9 | 5,592 |
被服及び履物 | 3.1 | 4,402 |
保健医療 | 5.3 | 7,606 |
交通・通信 | 9.4 | 13,412 |
教育 | 0 | 0 |
教養娯楽 | 11.3 | 16,257 |
その他の消費支出 | 24.6 | 35,251 |
その他の消費支出35,251円のうち、交際費が14.3%で20,453円かかっています。
夫婦二人の場合の交際費が28,749円でしたから、一人の場合で20,453円は割に多くなっていますね。
一人のほうが外に出かけたりして多くなるんでしょうかね。
一人暮らしの老後の必要資金額はいくら?
一人暮らしの老後の資金必要額はいくらになるのか計算してみましょう。
一人暮らしの収入合計112,207円から支出合計153,724円をマイナスすると、毎月-41,517円足りなくなります。
50代は65歳からしか年金がもらえない人が多いですから、65歳から85歳まで20年生きたとすると
-41,517円x12ヶ月x20年=-9,964,080円
約1,000万円必要になります。
90歳まで25年生きたとすると
-41,517円x12ヶ月x25年=-12,455,100円
約1,250万円必要になります。
一人暮らしの老後は夫婦二人と比較して少ない資金で乗り切れそうですね。
60歳で定年退職してから65歳まで5年間年金は受け取れないとすると、働かなければその間の生活費はマイナスになります。
年金生活と同じような暮らしをしたとしても、
153,724円x12ヶ月x5年=9,233,440円
65歳までになんと約930万円必要になります。
85歳までで約1,930万円、90歳までで2,180万円必要になります。
85歳、90歳まで健康であればいいですが、一人で生活できなくなる状態になれば、介護や医療など施設費用も必要になってくるでしょう。
健康には気をつけましょう。
一人暮らしといえども、50代の人の老後は充分なお金を貯蓄しておかなければなりません。
大変な世の中ですね。
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