定年退職後の失業保険はいくらもらえる? 金額計算シミュレーション
2018/04/17
目次
定年退職後の失業保険はいくらもらえる?
定年退職して、働きたくても職に就くことができなければ、失業保険(雇用保険)の失業手当をもらえることや資格や手続きなどについて前回の記事で書かせていただきました。
↓
定年退職後の失業保険のもらい方!給付日数と受給期間や手続きについて
今回は、失業手当はいったいいくらもらえるのか?の計算法についてです。
失業手当は、離職前6ヵ月間(180日)に受け取っていた給与の1日当たりの平均額(賃金日額)から、1日当たりの失業手当の金額(基本手当日額)を計算し、それに所定給付日数を掛けて計算します。
賃金日額(離職前の賃金総額÷180日)
※ボーナスや一時金(出産手当、結婚祝い金、弔慰金、退職金など)は含みません。残業手当、通勤手当、住宅手当、営業手当などは含みます。
↓ 計算
基本手当日額
基本手当日額x所定給付日数=支給総額
失業手当の給付金額や所定給付日数は賃金日額、離職時の年齢、被保険者であった期間(雇用保険加入期間)、離職理由によってちがってきます。
※記事の下の方に計算フォームを作ってみましたので、シミュレーションしてみてください。
失業手当の給付金額(基本手当日額)
基本手当日額は離職時の年齢と賃金日額から計算します。
以下表にまとめました。
定年退職者の場合、現在は60歳定年で再雇用で65歳まで働く場合が多いでしょうから、離職時の年齢は60~64歳、65歳以上でみることになります。
離職時の年齢が30歳未満(65歳以上※1) | ||
賃金日額(w) | 給付率 | 基本手当日額(y) |
2,300円以上4,600円未満 | 80% | 1,840円~3,951円 |
4,940円以上12,140円未満 | 80~50% | 3,952円~6,070円(※2) |
12,140円以上13,420円未満 | 50% | 6,070円~6,710円 |
13,420円以上 | – | 6,710円(上限) |
※1 離職時の年齢が65歳以上の方が高年齢求職者給付金を受給する場合も、この表を適用します。
※2 y=(24,140w - 7ww)÷24,000
離職時の年齢が30~44歳 | ||
賃金日額(w) | 給付率 | 基本手当日額(y) |
2,470円以上4,940円未満 | 80% | 1,976円~3,951円 |
4,940円以上12,140円未満 | 80~50% | 3,952円~6,070円(※2) |
12,140円以上14,910円未満 | 50% | 6,070円~7,455円 |
14,910円以上 | – | 7,455円(上限) |
離職時の年齢が45~59歳 | ||
賃金日額(w) | 給付率 | 基本手当日額(y) |
2,470円以上4,940円未満 | 80% | 1,976円~3,951円 |
4,940円以上12,140円未満 | 80~50% | 3,952円~6,070円(※2) |
12,140円以上16,410円未満 | 50% | 6,070円~8,205円 |
16,410円以上 | – | 8,205円(上限) |
離職時の年齢が60~64歳 | ||
賃金日額(w) | 給付率 | 基本手当日額(y) |
2,470円以上4,940円未満 | 80% | 1,976円~3,951円 |
4,940円以上10,920円未満 | 80~50% | 3,952円~4,914円(※3) |
10,920円以上15,650円未満 | 50% | 4,914円~7,042円 |
15,650円以上 | – | 7,042円(上限) |
※3 y=(130,260w-7ww)÷119,600 または y=0.05w + 4,368 のいずれか低い方
※平成29年8月1日改正
Sponsored Link失業手当の所定給付日数
所定給付日数は離職時の年齢、離職理由、被保険者であった期間(雇用保険加入期間)によってちがってきます。
定年退職者は被保険者であった期間が6ヵ月以上1年未満でも給付されるので、一般の離職者と比較して優遇されています。
職理由区分 | 年齢区分 | 失業手当の所定給付日数 | 受給資格 | 給付開始 | ||||
被保険者であった期間(雇用保険加入期間) | ||||||||
6ヵ月以上 1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | ||||
一般の離職者 | 全年齢(65歳未満) | ― | 90日 | 120日 | 150日 | 離職日直前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が通算して1年以上 | 7日間の待機期間+3ヵ月間の給付制限が経過した後 | |
特定理由離職者2 | 7日間の待機期間が経過した後 | |||||||
定年退職者 | 65歳未満 | 90日 | 離職日直前の1年間に、雇用保険に加入していた期間が通算して6ヵ月以上 | |||||
65歳以上 | 30日 | 50日 | ||||||
特定受給資格者 特定理由離職者1 | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― | ||
30歳以上 35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | ||||
35歳以上 45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | |||||
45歳以上 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | ||||
60歳以上 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 | ||||
就職困難者 | 45歳未満 | 150日 | 300日 | |||||
45歳以上 65歳未満 | 360日 |
失業手当の金額計算シミュレーション
ややこしいので、計算フォームをつくってみました。
[jazzy form=”shitusgyo”]デフォルトでは、離職前6ヵ月間(180日)に受け取っていた給与180万円(月給30万円)で、定年退職者を想定して、離職時の年齢60歳以上65歳未満、被保険者であった期間20年以上になっています。
180万円÷180日=1万円(賃金日額)
60歳~64歳の場合、賃金日額4,940円以上10,920円未満の場合は
(130,260x10,000-7x10,000x10,000)÷119,600=5,038円
0.05x10,000 + 4,368=4,868円
5,038円>4,868円で4,868円が賃金日額となります。
所定給付日数は65歳未満で被保険者であった期間20年以上なら150日給付されますから、
4,868円x150日=730,200円
失業手当の給付総額は730,200円ということになります。
定年退職でない場合もできますから、いろいろシミュレーションして計算してみて下さい。
転職などの際にもお役に立つかもわかりませんね。
関連記事↓